計算誕生日
10月13日23時50分ジャストに恋人が自分の部屋に現れた。
パジャマを着て、ベットに入ろうとした綱吉は
いきなり開いた自室の窓を見て驚くことしかできなかった。
「む、骸……!?なっなんで………!?」
六道骸は足をかけていた窓枠からスタッと部屋の床へと着地した。
「クフフ、何言ってるんですか綱吉くん!!明日は貴方のバースディですよ!?」
ちゃんとわかっているじゃないか明日だと。
今日じゃないと知っているのに、何故今ここにいる?
「そして今日はバースディ“イヴ”です!!」
「はぁ!?」
イヴ、だなんて…そんなのクリスマスじゃないんだから…。
「と、いうワケでですね……。」
骸はクフクフ笑いながら楽しそうに綱吉の元へと近づいてくる。
「えっ!?何!?うわぁぁあ!!!!!」
綱吉は骸に軽々と抱き上げられた。
「イヴから綱吉くんと一緒に過ごそうと思いまして。」
何が「と、いうワケ」なのか、全くわからない。
骸は綱吉を自分の膝に乗せると、自分はベットに腰を下ろす。
「ちょっ、骸……!」
ぎゅうぎゅうと背後から抱き締められてしまえば身動きなど、とれるはずがない。
もぞもぞと居心地悪そうに綱吉は動いてみても、 骸は嬉しそうに時計を見ている。
大好きな綱吉を膝に乗せ、上機嫌だ。
(誕生日だから、何かするだろうな………とは思ってはいたけど………。)
まさか前日からカウントダウンを始めてしまうとは夢にも思わなかった。
(いつもイキナリだよなぁ……。)
綱吉は付き合い始めてからの骸を思い出し、その突発的な行動に思わず笑みがこぼれた。
(それも……最初は迷惑だ、とか……振り回されて疲れる…とか思ってたけど、今はそれが楽しい………。)
そう思ったことで自分はやっぱりこの男が好きなのだと再認識してしまった
それにも少し笑みがこぼれた。
「おや、どうしたんですか。」
「ううん、なんでもないんだ。」
綱吉は首を横に振ると、にっこりと笑った。
そして、骸の顔が近づいてきたと気づいた時にはもう口唇を奪われていた
「ん!…んむふ……ぁ……んっ………!」
口内を骸の舌が這う。
綱吉は抵抗せずに骸を受け入れる。
ぞくりと身体に甘い電気が走る
「………んっ………ふぁっ」
しばらくしてやっと口唇が離される。
綱吉はぐったりと骸にもたれかかる。
呼吸は荒く、目には涙が溜まっている。
「………迷惑、でしたか。」
「………え?」
「いきなり、押しかけて………。」
骸は先程窓から登場した時のテンションではなく、しょんぼりとうなだれていた。
(いや、いきなりはいつものことだし………。)
「そんなこと、ないよ……嬉しいし……。」
「本当、ですか……?」
「本当だって………。」
「本当、に………?」
骸はなんとも心配そうに綱吉を覗きこむ。
(どうしたんだよ骸……。あ、もしかして自分の突発さを反省してるの、かな……?)
「本当だってば……一緒にいられるだけで………嬉しいんだから。」
「!!! 綱吉くん!!今何て言いました!?」
「えっ……えっ?」
綱吉は骸の豹変ぶりに戸惑う。
「え?……だから………。」
骸はキラキラとした眼差しで綱吉を見る。
(うぅっ、なんなんだよぉ。反省してたんじゃないのか…? )
「……だからっ……一緒にいられるだけで嬉しいって…………っ」
綱吉の声は段々と消え入りそうなものへと変わっていく。
「綱吉くん!もう一回言ってくださいっ!」
(えぇ!?もう何なんだよ……っ)
「っ……だからっ……一緒にいられるだけで嬉しいって……ッッ」
綱吉はしだいに身体が朱色に染まる。
(何回も言ってたら恥ずかしくなったきた………っ)
「綱吉くん!!」
「えっうわぁぁ!!!」
いきなり世界がぐらりと揺らいだ。
背中には布団の感触。見える世界は天井。
ベットに押し倒されていた。
「ちょ骸…何する……っ」
ぎしっとベットがきしむ音と同時に骸が綱吉に覆いかぶさった。
「クフフ、嬉しいです綱吉くん……そんな風に思ってくれているのですね……!」
「えっ……うぁっ………。」
「とても嬉しいのですが、……すみません、あまりにも綱吉くんが可愛すぎるので誕生日プレゼントを渡すのが早くなってしまいますね。」
「え……?」
「あぁ、……ちなみに誕生日プレゼントは僕です。」
「えぇっ!!??」
「クフフ、早くなったと言っても大丈夫ですね、あと1分で14 日だ。」
「えっ……あ。」
見れば時計の針は23時59分を指していた。
(いっいつの間に……!!)
骸と綱吉の距離が近くなる。
「えっ……ちょ、………」
「………イヤですか?」
「……あ、う………っ…イヤじゃ、ない……です。」
綱吉の顔はゆでだこのように真っ赤に染まった。
「それでは………。」
「んっ………!」
二人の口唇が重なる。
カチリと長針が動く音、同時に骸の口唇が綱吉から離れる。
「Happy Birthday 綱吉くん。」
END