すりーぷ
俺もいけなかった……と思う。
でも、でもこれは……、不可抗力だ。
日曜日の夜のことだった。
「ツナ!一緒に寝ようぜ!!」
「………はぃ?」
ディーノは嬉しそうに綱吉のベットへ腰を下ろした。
昨日から日本に来ていたらしい跳ね馬は今日の昼頃から沢田家に居たのだそうだ。
(綱吉が遊んで帰ってくれば楽しそうにランボ達と遊んでいた。)
「ディーノさん……今なんて?」
ディーノの言葉に固まってしまった綱吉はもう一度ディーノに問った。
「だから、一緒に寝ようって……いいだろ?」
ディーノはニッコリと微笑む。
「なっななな何!?言って……っえっ!?えぇっ!?」
綱吉は顔を真っ赤にしてうろたえる。
(寝るって!?えっ!?えぇぇ!?ディーノさんがっ!?何でっ!?そんなっ!えぇ!?)
「おいおい、……違うって、ツナ。」
「…………へ?」
「変な意味じゃなくて、もう冬も本番だろ、夜はすげぇ冷え込むし
……一人で寝るより二人で寝たほうがあったかいと思わないか?」
「………あ、そ、そう、ですね………。」
綱吉は自分の思い違いに顔が赤く染まる。
(うわぁぁあ………俺、…恥ずかし……っ)
ディーノはそんな綱吉を気遣ってか、何も言わず枕を持ってきて綱吉のベットへと投げ入れる。
「ほら、早く寝ようぜツナ、明日学校あるんだろ?」
「あぅ………はぃ。」
そして二人はベットに潜り込む。
(ちょっと、緊張するかも………。)
綱吉は早くなりそうな鼓動を押さようと必死だ。
「なんだよツナ、こっち向けよ、淋しいだろ〜〜。」
ディーノに背を向けて寝ていた綱吉はおずおずとディーノの方へと向き直る。
「すみません……、でもなんか…緊張しちゃって………。」
あははっと照れ笑い。
「まぁ、そうだよな……でもこれなら安心して寝れンじゃね?」
ディーノはそう言いながら綱吉をぎゅっと抱きしめる。
「ぅわっ!!ディッ!ディーノさん!?」
「うわーツナすげぇあったけぇーー。」
ディーノはさらにぎゅぅぎゅうと抱きつく。
(………確かにあったかいけど。)
「あ〜〜眠たくなってきたなぁ……。」
ふわぁっとディーノは欠伸を一つ。
「んじゃ、おやすみツナ……。」
「えっ、あっ……おやすみなさい。」
綱吉がそう言った途端ディーノから規則的な呼吸が聞こえる。
(早ッッ!!………でも、仕事でこっちに来たんだから、……そりゃ疲れてるよな……。俺も寝よ……。)
そう思いながら綱吉も心地よい暖かさと睡魔に誘われ夢の中へ沈んでいった。
綱吉から規則的な呼吸が聞こえ始めてから15分……。
(〜〜ッ!!好きなヤツと一緒の布団に入って寝れるわけねぇーよ……。)
ディーノは腕の中の綱吉を見て小さく息を吐く。
自分から言った行為なのだがそれは、ほんの少しの欲求で、
ただの軽く、淡い想いのはずだった。
だから、こんなにも……自分の理性が保てなくなるものになるとは思わなかった。
自分の腕の中にいる弟分を見た途端、先程まで余裕だった自分の心がぐらりと揺らいだのだ。
(まだまだだなぁ………俺も……。)
もっと、大人な自分だと思っていたのに。紛らわすために
…………狸寝入りだなんて。
「ンぅ……!!」
「っ……!?」
綱吉は小さく喘ぐとディーノの方へ擦り寄ってくる。
(うわっ………やべぇ………っ。)
何も知らない綱吉は幸せそうに寝ていた。
(これは、……ホントに………っ!)
ディーノの中で何かがぷつりと切れる音がした。
ディーノの目線は綱吉の口唇に引き寄せられる。
「ツナ………。」
ディーノは誘われるようにゆっくりと自分の口唇を重ねる。
しばらくして離すと、それでは足りないと言わんばかりに今度は白い首筋に口唇を寄せる。
赤い花弁が散った。
綱吉の起きる気配はない。
さらに行為を続けようと綱吉のパジャマのボタンを外そうとする。
しかし、跳ね馬は我に返った。
「っ……!!俺、何やって………!!!」
目の前には着衣の乱れた綱吉。
自分は一体、何をしていた?
いや、しようとしていた!?
こんなの、最低ではないか。
ディーノは自己嫌悪に陥った。
「ダメだ……っこのままココに居たら………っ。」
大好きで、愛しい愛しい弟分を無意識の内にひどく理不尽な方法で
自分の想いを伝え、傷つけてしまうことになるだろう。
ディーノは綱吉の衣服を戻し、布団から出ると書き置きを残し、部屋を後にした……。
NEXT→