すりーぷ  続き






「んぅ……?」


珍しく母親に起こされることなく目が覚めた。
いつも週の始めなんて寝坊ばかりなのに。

「………あれ、ディーノさん、は……?」


昨日確かに同じ布団に入ったはずの兄貴分がいない。

(どこ行ったんだろ………ん?)


部屋を見回せば机の上に小さな紙きれが。

(なんだ……コレ。)


ごめんなツナ
急に仕事が入ってイタリアに帰らなくちゃいけなくなっちまった。
もう少しゆっくりしたかったンだけど
また今度な!
           ディーノ




「そっか、帰っちゃったんだ………。」


寂しいなぁ…もっと話せたらよかったのにと思いながら、下から自分を呼ぶ母親の声に返事をすると
ディーノからの手紙を机に置き、綱吉は自室を後にした。





いつものように獄寺、山本と登校していた綱吉。
並盛中学校門前では風紀委員が服装指導を行っていた。


「あっ、雲雀さんっ……おっおはようございます………っ」

「……おはよう綱吉。また群れてるの……。」

「……えっあ、あの……っ」


雲雀は綱吉の後ろにいる二人を軽く睨みつけると、
ゆるく締められている綱吉のネクタイに目がとまる。


「……ほら、ネクタイはもっと上まで締める。」

「えっ!?あっ……、すみませんっ」

雲雀自ら綱吉のネクタイを直し始める。

(まったく………、ッ!?)

ピタリと雲雀の手が止まった。


「…ひ…雲雀さん………?」

綱吉は自分のネクタイを持って止まってしまっている先輩を不思議そうに覗き込む。

「草壁。」

「はいっ。」

雲雀は先程からずっと服装指導を行っている草壁にいきなり話しかけた。

「ここ、頼むよ。」

「わかりました。」

そう草壁が返事をした瞬間雲雀は綱吉の手を引いた。

「えぇ!?ちょっ!?雲雀さん!?」

綱吉はワケが分からないまま雲雀に連れていかれた。






「……どういうことなの。」

「ッッ!!!」


ドサッと乱暴にソファに投げられる。


連れてこられたのは応接室だ
雲雀はココにくるまで一言も話さなかった。
怒っているようだが、綱吉は何がなんだか分からない。


「どういうことなの。」


先程から何も言わない綱吉にじれったいのか雲雀は怒気を含みながらもう一度問った。

「なっ…何が………ですか。」

「しらばっくれる気。」

「えっ………!?」


雲雀は綱吉のネクタイを解き、シャツのボタンを外すと、どこから出したのか鏡を綱吉に向ける。
鏡には自分の首筋がうつしだされていた。

「えっ………あっ!!」


その白い首筋に赤いキスマーク。


(なっ何これ……!?)

あまりの驚きに声が出ない。


「こんなものつけてきて、誰と寝たの。」

「なっ………!!ちがっ!!違いますっっ!!」

「何が違うの。」

「それは………っ」


わからない。昨日までこんなものなかった。

・・・・・・昨日?

昨日は確か、ディーノさんと……

まさか、そんなことない。

ありえないよ。



「何か思い当たることあったんじゃないの。」

「えっあっ……そん……!?」

「言わないとどうなるか………わかってるよね。」

雲雀はそう言うと綱吉の上に覆い被さり、トンファーを構える。

( うぅ………っ。)

話さないと咬み殺される・・・!!


綱吉は昨日の経緯を雲雀に話した。




「……ということなんですが……。」

(あの外人!!次会ったら絶対に咬み殺すッッ!!)

「あ、あの雲雀さんっ!!本当にディーノさんがしたのかわからないですし、虫刺されとかそんなのかもしれませんしっ!!」


綱吉は必死になってフォローをしているが雲雀には聞こえていないようだ。


「雲雀さんっ……。」

「……綱吉。」

「えっ……んぅッッ!?」


口づけられた。


「んんっ………!!ふぁ……ぁ……んぅ!!」

触れるだけだった口づけは次第に深いものへと変わっていく。
歯列をなぞられ、舌を絡めとられ、吸いつくされる。


「んはぁ………あっ……雲雀、さん………っ」


綱吉は目に涙を浮かべ雲雀を見上げる。


「あの外人は後で咬み殺すとして……綱吉、これからはそんな軽率な行動しないようにしっかりと、お仕置きしてあげるよ。」

「えっ………!?あっあの……っ!」

綱吉は身体中の血が引くのがわかった。


「あぁ、・・・今日は授業出なくていいから。」

「はっ!?えっ!?ちょ!?雲雀さんっ……ふぁ!ひゃぁぁあああ!!」





綱吉は一日応接室から出ることができなかった。



END