無意識





「山本!」


「あれ、ツナどうしたんだ?」



部活が終わってグラウンドから出ると部室の前でツナが待ってた。



「今日の補習、山本出れなかったからプリント預かってきたんだ。明後日までに出せばいいって言ってたよ。」


そう言うと綱吉はカバンの中から数枚のプリントを取り出す。


「おっ、わざわざありがとな。 あっツナ今から帰りか?俺もう着替えるだけだから一緒に帰ろうぜ。」

「あっ うん!」


山本はそう言うと部室のドアノブに手をかける。


「ツナも中入るか?」

「えっ!!いいよ!外で待ってるよっ」

「遠慮すんなって、もう俺しかいねーし 外まだ寒いだろ?」

「あっ………う。」


もう春だと言っても夕方は少し肌寒い。


「誰にも怒らねーし、な?」

「わっ……!ちょっ山本……っ」


山本は綱吉の腕を強引に引っ張る。


「うわぁあっ!!」

「ツナ!?」


すると 綱吉はドアまでの段差に気付かなかったのかつまずき、山本の方へ倒れかかった。






(アレ……?)


目の前にある感触は冷たいコンクリートではなく、白いユニフォームだった。


「っ………と、危なかったな。」


つまずき、転びかけた綱吉は山本に抱きとめられていた。


「うわっ、ごっごめん!山本!」

「いーっていっーて、それより………。」




(なんか……すんげぇイイ匂いがする……。)




シャンプーだろうか、ふんわりと甘い香りがする。


「………山本?」

「……えっ…あ、何でもねーって。」

「………?」


山本はお得意の笑顔でなんとかごまかす。


「あっあの………やまもと。」

「ん?どーした?」

「もう大丈夫だから、そろそろ離して……。」

「あっ……わりっ。」


山本は綱吉の身体に回していた手を離す。


「あのさっ……俺やっぱり外で待ってるよ。」

「えっ……あ、いーのか?」

「うん・・・・・、外にいるよ。」


綱吉はそういうと、そそくさと外に出ていってしまった。
残された山本は静かにドアを閉めると、自分のロッカーを開け着替え始めた。







(俺,さっき………。)


綱吉を離すのが名残惜しく感じた気がした。

おかしい。

いつもはそんなことないのに。


もっと触れていたい、と思った。



(なんだ………コレ。)







「まぁ、いーかっ。」


悩んでいても仕方ない。

そのうちわかるだろう。



山本はそう思うとカバンを持ち、部室を出た。







END