always







「んっふ………!」



静かな教室。

そこには俺と山本しかいなくて。



補習が終わって、もう帰ろうか なんて言った矢先に


壁ぎわまで追い詰められて、キスされた。





山本と付き合うようになってから今日で一ヵ月とちょっと。
恋人同士っていう立場になってから山本のスキンシップは格段に増えた。

その決定的なのがキス。

友達同士の時はしてないに決まってるけど、キスってこんなにするものなのかと思うくらいキスしてる気がする。

しかも不意打ちにどんな所でも構わずしてくるから、俺は気が気じゃない。
前に映画館に行って、座席に座って映画が始まるのを待っているといきなりキスされたこともあった。


その時 何でこんなところでするの、って聞いたら


「ツナといると胸が苦しくてツナから酸素もらわないと俺生きてけねぇーから?」


なんてサラリといわれた挙げ句、ツナもだろ?なんて笑顔で言われてまたキスされた。
それでも俺はめげずに時と場所を考えて、て言ったんだけど。
そうしたら寂しそうな顔でイヤなのかと聞かれて答えに詰まった。
もう一度イヤなのかと聞かれて首を横に振れば、じゃあ いいよな と俺の主張はあっさりと消えた。


そのおかげで所構わずキスされる現状は変わらない。現に今もだ。



「ふっ………んっは……んぅ!?」


不意打ちにされるキスの大半は触れるだけのキスなのだが、
今日は口唇が離れたと思ったら、ペロリと唇を舐められ舌を差し込まれた。


「ンンッ!!……んっは……ぁ……!!んっ!」


さっそく舌を絡めとられて、舐められる。
<ざらりとした舌と舌が触れ合う感触に、ぞくりと身体に甘い電気が走る。


「ふぁ……!んぅ………はっ……!!」


一度離れたかと思えば再び口づけられる。




「はぁっ……!やまっ!!」

「まだ。」

「んぅ……!!ふぁ………!!」


角度を変えてさらに攻め立ててくる。
がくがくと足が震え、立っていられなくなってぎゅっと山本のシャツを握りしめた。


「んぁっ……んゃ………ふっ………!あっ………。」


最後に強く吸い付くと、山本の舌は名残惜しそうに離れていった。



「あっ………!」


口唇を離した途端、綱吉はへたりと床に座り込んでしまった。


「うわっ……!ツナ、大丈夫か!?」

「んっは……ごめ……腰抜けちゃったみたい……。」

「ははっ このままじゃ帰れねぇな、もうちょっとここで休んでくか。」

「うん……。」


綱吉は小さく頷くと頑張って立とうとするが力が入らず、またぺたりと座り込んでしまう。
それを見た山本は綱吉を抱き上げる。


「よっと………!」

「うわっ………!山本!?」

「床、つめてぇだろ?」


山本はそう言って綱吉を抱えたまま自分の席につく。


「……っ…や山本、も…下ろして……っ」

「ん?何でだ?」

「だって……重い、し……何か恥ずかしいよ………。」

綱吉はかあぁっと頬を染める。

「全然重くないって、ほら。」

「わっ!!」


山本は再び立ち上がると綱吉を抱き上げ、教室内を歩く。
窓際まで歩けば外は薄暗く、一番星が輝いていた。



(うぅっ……恥ずかしいよぉ。)



「うわー結構暗いな、そろそろ帰ンねーとな。」

「うん……。」



これで下ろしてもらえる、そう思った瞬間 山本がとんでもないことを言いだした。


「でもツナまだツライよな?………このまま帰るか!」

「えぇっっ!!!??」

山本は綱吉を抱えたまま自分の鞄と綱吉の鞄を手に取る。

「えぇっ!?ちょっ!!山本っ………!!」


山本は驚いている綱吉を気にせず、教室のドアを開ける。


「うわーーー!!ちょっまっ……!!山本!おっ俺もう大丈夫だからっっ!!」


「遠慮すんなって、そもそも俺のせいだし。」


「ちがっ!(違わないかもしれないけどっ!)ちょっちょっと待って山本ーーーーー!!!」




綱吉はそのまま家まで送られ、しばらくご近所中のウワサとなった。






END