あればあるほどに
「好きなんだ……っ」
「えっ………。」
「そのっ………ツナのことが………っ」
「やま、もと………?」
昼休み 獄寺くんは先生に呼ばれてて、俺と山本は屋上で待ってた。
でも何だか山本の様子がおかしくって、軽く「どうしたの?」って聞いたら、
…………告白された。
隣に座っていたはずの山本はいつのまにか俺の正面にいて、
後ろにある壁に両手をついて俺を逃げられないように囲っていた。
恥ずかしいのか山本の顔は真っ赤だった。
「イキナリごめんな……でも俺、本気っだからっ……。」
「やっやまもと……!?えっちょ……!」
真剣な山本の顔がどんどん近づいてきて、俺と山本の唇が重なってた。
(なっなっなっ何これ!!??こっこれってもしかしなくても きっきっキスーーーー!!!??)
綱吉が混乱している間に山本は足りない、というように無防備に開いている口唇に舌を差し込んだ。
「んぐっ!?んんっ!!んー!!んーー!!」
ぬるりと入ってきた舌のせいで身体にゾクッと悪寒が走った。
(んっやだっ……!!キモチ、わるい………っ!)
「んはっ……やぁ……!やだっ……!!やめっ…やまもと…!」
「ツナっ………!」
口唇を離すと、綱吉は必死に抵抗するが山本はさせないように
服の中に手を侵入させ、柔らかな脇腹を撫でる。
「あっ…!やだっ……!やめっやだぁ山本っ……!!んっ!!」
「ツナっ・・・ツナっ……!」
「やだっ…あっだめっ…あぁっ…!」
ツンッと尖っている胸の粒に触れてやれば大きく身体を震わす。
「やだっ……!!あっあっ……!!」
「ツナ……っ……好きだっ……。」
山本は綱吉のをズボン越しに揉む。
「ひぃあ!!あっ……!やめっ………!!」
バンッ
「何してるの。」
「………ひ、……ばり……。」
(ひ・・・、ばりさん…………!?)
開け放たれたドアの前に雲雀が立ち、二人の方をじっと見ていた。
「………何してるの、って聞いてるんだけど?」
何も言わない二人に呆れたのか雲雀は小さくため息をつくと二人の方へ近づく。
「………ッッ!!」
山本は反射的に雲雀から綱吉を隠した。
「………ワオ、すごい殺気。何もしないから安心しなよ……ただ、風紀委員として話は聞かないとね……。」
チラリと雲雀に見られ、綱吉は身体をびくっと震わせた。
(どうしようどうしよう……!!かっ咬み殺されるーー!!)
「群れるのは嫌いなんだ………君、帰っていいよ。」
「なっ……!」
「話は彼に聞くから。」
雲雀はそう言うと山本との間をすり抜け、綱吉にトンファーを突きつけた。
「ひぃっ………!!」
「なっ……!雲雀っ!」
「何、早く帰りなよ。」
雲雀は興味なさそうに山本を見ると、早く帰れと目線をドアにやる。
「……ッ……話なら俺がするからツナはっ………!」
「僕に逆らう気?さっさとしないとヒドイよ……。」
チャキっとトンファーと綱吉の距離が近くなる。
(ひぃっ………!!!)
「ほら、早くしなよ。」
「ッッ…………!!」
山本は苦渋の表情を浮かべると、一度綱吉を見て屋上を去っていった。
(山本………。)
「で、君は………。」
「はっははははいッッッ!!」
そうだった。今自分が危険な状況であることを忘れていた。
他人のことを心配している場合ではなかったのだ。
「なっななな何でしょうか………っっ!!」
綱吉は恐怖で身体を凍らせた。
「…静かにしなよ。」
「へ………。」
雲雀はトンファーをしまうと、乱れた綱吉の着衣を素早く直した。
「えっ………あっ、あの………?」
「制服はちゃんと着てよね。」
「………はっ、……はい。」
「もう帰っていいよ。」
「えっ………?」
自分は話をさせられるために残ったはずなのだが……もういいのだろうか。
「しっ……失礼しまーす……。」
もちろん話をしないに越したことはないので、綱吉はこの場から早々に立ち去ろうとドアの方へ足を動かした。
「……ねぇ。」
「はいぃぃッッ!!」
ドアノブに手をかけたところで雲雀に呼び止められた。
あともう少しだったのに。
「君はアレとどういう関係なの。」
「えっ………。」
アレ、とは山本のことだろうか。
綱吉は混乱しながらも、雲雀の質問に答えた。
「……とっ友達、です………。」
告白された、……けれども綱吉の中での山本の位置はまだ変わっていない。
「…………そう。」
雲雀はそれきり何も言わなかったので綱吉は失礼します、と再び断りを入れ屋上から去った。
階段を下りると山本がいた。
「やま……もと……。」
「ツナっ………!」
山本は綱吉に駆け寄る。
「ごめんなっ…ツナっ……!!大丈夫だったか……っ」
山本の表情は今にも泣きそうで、心配していてくれたのかと自然と顔が緩んだ。
「うん……大丈夫だよ。」
これ以上心配させないようにヘラっと笑顔を見せる。
「っ………そっか、よかった……。」
山本はズルズルとその場に座りこんだ。
「もっ………心配し過ぎだよっ ほら、教室行こ?授業始まっちゃうよ。」
綱吉は雲雀が来る前のことなどなかったように明るく振る舞いだした。
「ツナ。」
低い声色にびくりと身体が震えた。
「っ………!」
山本の方を振り返ろうとしたが、背後から抱き締められていた。
「やまっ……も……と。」
先程の行為を思い出し、綱吉はカタカタと小さく震え始めた。
「ごめんっ………ごめんな……いきなりあんなっ………。」
「………っ」
「でも………冗談じゃねぇから……、なかったことに……しないでくれねぇか……。」
山本は辛そうに言葉を吐き出した。
「うん……。」
綱吉は小さく頷いた。
「さんきゅ……。」
山本はそう言って綱吉から離れると、いつもの笑顔に戻っていた。
「早く教室行かねぇーとな。」
ニコっと笑う山本に綱吉もつられて笑顔になる。
「うん………あっ、俺 資料取りにいくの頼まれてたんだった!!」
色々あってすっかり忘れていた。
昼休み前に教師から頼まれていたのだ。
「俺も行こーか?」
「いいよ、頼まれたの俺だし 山本は先に教室行っててっ!!」
綱吉はそう言うとぱたぱたと走っていった。
取り残された山本はふぅっとため息をつくと、教室の方に足を向けた。
「へぇ……。」
「…………ッ!?」
後ろを振りかえれば雲雀が壁に身体を預けて立っていた。
自然と二人は睨み合うような態勢になる。
「雲雀っ………。」
「……あの子のこと、好きなの。」
唐突な質問に山本は目を丸くする。
「…………だったら……何だ。」
「そう………。」
雲雀はそれだけ聞くと山本の横を通り過ぎていった。
「“ ”」
「なっ………!!!」
山本が驚いて雲雀を見れば、もう雲雀はいなかった。
「…………っ」
(マジかよ……っ負けらんねーな……。)
山本は気合いを入れるためにパンッと両頬を叩くと教室に向かった。
「“あの子、僕のものにするから。”」
END