「恋の始まり、恋の終わり」  続き1







チャイムが鳴り、やっと今日の授業が終わったことを知った。
山積みだった書類を片付けるのに必死で時間が経つのに気がつかなかった。

(もうこんな時間か………。)

早く放送で呼び出さなければ帰ってしまうかもしれない。
もし帰っていればせっかく買ってきた (草壁が) ケーキが無駄になってしまうし、
放課後を綱吉と過ごそうと仕事を必死で終わらせた意味がなくなる。

ぐずぐずはしていられない。

「草壁、沢田綱吉を呼び出しておいて。」

「わかりました。」

草壁はそう返事をすると応接室から去った。
残された雲雀は綱吉が帰ってしまってないかと窓から校庭を覗き込む。
校庭には帰ろうとしている多くの生徒たちが見えた。

(綱吉は………、いない。)

雲雀がほっとした瞬間、目に最悪なモノが飛び込んできた。


隣町の制服に身を包み、奇妙な髪型をしたあの男。

六道 骸が校門の前に立っていた。


(っ…………!!!)


雲雀は学ランを引っ掴むと応接室を飛び出した。

(咬み殺す咬み殺す咬み殺す咬み殺す咬み殺す。)

ただならぬ殺気を放ちながら雲雀は校門へ向かった。





雲雀が校門についたころには既に骸の姿はなかった。

(っ………どこに………!!)

まわりを見回すがそれらしき姿はない。

雲雀が応接室から来るまでそれほどの時間は立っていないはずだ。
雲雀は近くにいた男子生徒に愛用のトンファーをチラつかせ、話を聞いた。

彼の話では先程までいた黒曜中の男は待ち合わせをしていたようで、
昇降口から走ってきた生徒と一緒にどこかに行ってしまったという。

雲雀は校内に入ったわけではないと知り安心するが、咬み殺せると思った期待が外れてしまい
八つ当りに話を聞いた男子生徒に一撃を入れると、応接室に戻った。





「………沢田綱吉は?」

応接室に戻れば呼び出したはずの綱吉の姿はなく、草壁が一人書類を整理していた。

「呼び出したのですが、一向に来る気配がなく………。」

「…………。」

雲雀はあからさまに不満そうな顔をする。

「……もう一度呼び出しましょうか?」

「………いい、僕が直接行って来るよ。」

雲雀はそう言うと応接室をあとにした。





雲雀は乱暴に教室のドアを開けるが、
そこには男子生徒が5人ほどいるばかりで綱吉の姿はない。
殺気が溢れ出ている雲雀の姿を見た男子生徒たちは小さく悲鳴を上げた。

(何でいないの………っ!!)

雲雀は込み上がる苛立ちを押さえ、先程と同じ様にトンファーをチラつかせ、話を聞く。

「沢田綱吉は………っ?」

「だっ……!ダメツナなら、チャイムが鳴ったと同時にきょっ、……教室から出ていきました………!」

あぁ 放送を入れるのが遅かったと、後悔した雲雀だが今更そんなことを言っても始まらない。
とりあえずこの苛立ちを何とかするために
目の前の群れている草食動物達を咬み殺し、教室から出ていった。


(〜〜〜〜ッッ!!)


何ともならない苛立ちに雲雀は学校を出ると、街で群れている草食動物達を咬み殺してまわった。






次の日



(ぜっ……絶対今日の雲雀さん機嫌悪い………!!!)



相変わらず授業中に呼び出された綱吉は早々にたくさんの雑用を押しつけられた。
もちろんそれが終わっても帰されることはなく、ただ雲雀の隣に座っているだけなのだが、
雲雀から出ている苛立ちのオーラに綱吉は肩をすくませる。

(おっ……俺は何にもしてない……、よなぁ??)

綱吉はおとなしくしていようと、びくびくしながら時間が経つのを待った。

触らぬ神に祟りなしである。

「………ねぇ。」

「はっハィィイっっ………!!」


しまった、こちらが触らなくても神から触られてしまえば、意味がなかった。


「昨日の放課後、何してたの。」

「え………??」

綱吉はきょとんとした顔で雲雀を見るが、しばらくすると戸惑った顔つきになった。

「………何?言えないの。」

「いや、………ええっと……っ………そのっ………。」

綱吉は言いづらそうに目を泳がせる。
その態度にイライラした雲雀はトンファーを取り出す。

「ひぃっ!!」

(…………!)

綱吉が身を守るように出した左腕から何か光るものが見えた。








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