「恋の始まり、恋の終わり」 続き2







「………何これ。」

「あっ…………!」

雲雀は綱吉の左手を掴み上げると、
黒い石でできている数珠状のブレスレットが白い腕を飾っていた。

「装飾品は禁止だよ、……没収。」

「あっ………。」

雲雀は綱吉の腕からブレスレットを外すと綱吉は何とも言えないほど悲しそうな顔をした。
潤んだ瞳が上目遣いで雲雀を見る。
その表情に雲雀の心がつきん、と痛む。

「校則違反だって知ってるよね………。」

雲雀はブレスレットを指に引っ掛けてくるくると回す。

「…………はい。」

今にも泣きだしそうな綱吉の顔に雲雀は罪悪感を覚える。

すると雲雀は何を思いついたのか口角を上げた。





「………返してほしい?」

「えっ…………!!?」

雲雀の言葉に俯いていた綱吉はバッと顔を上げた。

「…そのかわり反省文10枚と、そうだね………今日から一週間、放課後 応接室に来て
 僕の仕事を手伝えば返してあげてもいいよ。」

「ほっ……!ホントですか………!?」

綱吉の顔が一気に明るくなる。

「ちゃんと条件を果たせたらだけどね……。」

「はっ……!はい……!!ありがとうございますっ………!!!」

綱吉が嬉しそうな顔をすると、雲雀も自然と顔がゆるみそうになるが、
気付かれないようにポーカーフェイスを保った。

「じゃあ、これはそれまで僕が預かっておくから、教室 戻ってもいいよ。」

「あっ………はい………。」

綱吉は失礼しますと一言いって応接室から出ていった。

雲雀は嬉しそうにブレスレットを机の引き出しにしまうと、
草壁に甘い物を買ってくるように命じた。






それから一週間、綱吉は毎日応接室に通った。
雲雀からの様々な命令(膝枕など)や厳しい雑務も一生懸命頑張ってこなしていた。


その綱吉の必死さに雲雀はふと疑問に思った。


「ねぇ……、そんなにコレが大事なの?」

雲雀がブレスレットを眺めながら、紅茶をいれる綱吉に向かって言った。
雲雀から見ればコレはどこにでも売っていそうなただのブレスレットだ。


「えっ……!えっ、ええっと………そう、…ですね………。」


綱吉は頬を染め、照れたように笑う。はにかんだ顔が可愛らしい。


「ふぅん…………そう。」

雲雀は自分から聞いておいてさほど興味がなくなったのか、

ブレスレットをしまうと綱吉に紅茶を早くいれるようにと急かすのだった。



この会話をしたのが3日目。



その時は考えてもみなかった。



何故 綱吉がこんなにコレを大事にしてるかなんて。







そして今日で一週間だ。

あと5分もしないうちに放課後となる。

あぁ あともう少しで綱吉が来る。
雲雀は胸を踊らせ、綱吉が来るのを待っていた。
この一週間で雲雀は綱吉への愛しさがさらに増した。会う時間が多い分、色々な面もよく見える。

愛しくて、愛しくて、会いたくて仕方がない。
雲雀は早く会いたい一心で呼び出してしまおうかと思った。



その時だった。



バンッッと大きな音を立て応接室のドアが開け放たれた。



そこに立っていたのはつい最近、咬み殺し損ねた男だった。


「クフフ、こんにちは 雲雀恭弥くん。」


「………部外者は立入禁止だよ。」


雲雀はトンファーを構え、骸に近づく。


「おやおや…、手厳しいですね。……ですが安心してください、用が済んだらすぐに帰りますよ。」


「用?わざわざ咬み殺されに来たんでしょ、ぐちゃぐちゃにしてあげるよ………っ。」


「クフ、戦いに来たのではありませんよ、ある物を返してもらいに来たんです。」








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