タダより怖いものはない。
「あっ……んぁっ……ちょっ……やめっ!」
夏の陽射しが眩しい今日この頃。
沢田綱吉14歳
ただいまピンチです。
水泳の授業で補習の警告をされてしまった俺は
次の授業までに合格ラインまで泳げるように練習をするために黒曜中学校に来た。
最初は市民プールで練習しようと思ってたんだけど、
人が多すぎて練習にならないかも……(あと過去の市民プールでのトラウマ)なんて、
たまたま家に来てた骸にぼやいてたら
「黒曜中のプールを使ったらどうですか?」
って提案してきたんだ。
「え……?」
「休日は誰も使いませんし、自由に泳ぐことができますよ。」
「でも俺、他校生で部外者だし……。」
「構いませんよ、学校側には僕から言っておきますから。」
「………じゃあ、お願いしてもいい、かな?」
「えぇ、それでは日曜日、お待ちしていますよ。」
真剣に練習したかった俺にとって骸の申し出は正直有り難かった。
そしてやってきた日曜日。
黒曜中のプールは並盛とさほど変わらなかった。
唯一、変わっているとするれば………
「クフフっ!どうですかボンゴレ!僕の水着はッッ!!」
骸の水着だった。
有難いことに身体のラインがくっきりでるビキニではなく、ズボン型であった。
しかし柄が問題だった。
「・・・うん、何か・・・、ふぁ、ファンシーだな・・・・。」
水色の生地に印刷されているたくさんのクマたちに
俺の目は色んな意味で釘付けになる。
この年頃でこんな水着を着る人がいるのかと、正直感動しそうだ。
「クフフ!そうでしょう!可愛らしいでしょう!
・・・おやおや、そんなに見つめられては恥ずかしいですよ クフンっ」
「・・・・・・。」
勝手に恥じている骸を横に、俺は早速プールに入って泳ぐ練習を始めた。
でもというか、やっぱりというか、なかなか上手く泳げなくて、
俺が四苦八苦してると、骸が
教えてさしあげましょうか?なんて言ってくるもんだから、
俺はそれを受け入れてしまったのだ。
これが後で大変なことになるなんて、
その時の俺は思いもしなかった・・・・・。
「だいぶ泳ぎましたし、少し休憩しましょうか。」
「・・・あ・・、うん。」
俺はそう言って泳ぐのをやめてプールから上がろうとした、その時だった。
「綱吉くん。」
「なに・・・・。 ッ!!!」
振り返った先に見た骸の右目は「一」の文字をうつしていた。
「うっわ・・・!骸何したんだオマエ!!」
「クフフ・・・、愛らしいですよ綱吉くん♪」
「は・・・・? !!ああああぁぁぁぁぁーー!?」
ジロジロ見てくる骸に対して俺は自分の姿に目をやると、
俺の水着は、俺が着てた水着じゃなくなってた。
そう、俺が着てるのは、女子のスクール水着だった。
紺色の水着独特の生地が俺の身体に張り付いている。
しかもご丁寧に、胸には白のゼッケンに「沢田」と名前入りだ。
俺は驚いて、再びプールに身体を落とした。
「なッなッ!!何やってんだ骸ォォォオオ!!」
「おやおや、いいでしょう?少しくらい、いい思いをしても。」
「は!?何言って・・・・!」
「何を言ってるも何も、これぐらいの見返りがあっていいでしょう?」
「は・・!?え・・?」
「このプールを貸しているのは誰だと思ってるんです?」
「・・・・う・・っ。」
「僕は無償では動かない男ですよ?」
クフフ、といやらしく笑う骸にそう言われて、俺は黙ることしかできなかった。
「納得していただけましたか綱吉くん。」
「・・・・うぐっ。」
納得も何もないだろうと、俺はとりあえず骸の視線から逃れるために首まで水に浸かった。
「あぁ、ちなみにそれはプールを貸した分ですからね?」
「は・・・?」
「それで先ほどの授業料なんですけれど・・・。」
「は!?授業料!?って、ちょ・・!ちょっと!!!」
じりじりと自分に迫ってくる骸に危機感を感じた俺は、急いでプールから上がろうとしたけど
片手を掴まれて、ぐいっと骸の方へ引き寄せられてしまった。
「ちょ・・!骸・・離し・・・ッ!んぅッ!!」
俺がさほど抵抗する間もなく、唇を奪われた。
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