境界線 続き1
「む!むくろいきなり何――。」
「先ほど僕の言った『好き』は、君の思ってるような『好き』じゃありません・・・・ッ!」
「え・・・。」
真剣な声色で話す骸の表情は肩に頭を預けている綱吉には見えない。
「僕が、君を好きなのは・・、こうやって抱きしめたり、キスしたり、触れたい、という意味で、・・・・です。」
「な・・・ッ!」
「綱吉くん・・・。」
「わっ!ちょちょっと、むく・・・・!」
腕が緩められたかと思えば、頬に手を添えられ上を向かされ、
唇を奪われた。
「んっ・・・、んむむ・・・・つ!!」
「ふぁ・・・!っ・・むく、ろ・・・っ!」
涙目になった綱吉は、骸をキッと睨む。
骸は切なげな表情で綱吉を見つめる。
「綱吉くん・・・・っ」
「な・・・、に考えてんだよっ・・いきなり、こんな・・・ッ!」
「もう我慢できないんです、・・・・僕は、君の傍にいたいんです・・・。」
「そ・・、そんなの・・・っ、めちゃくちゃ・・、だ、ょ・・・!」
「そうかもしれません・・・・、でも、僕には君しかいないんでんす。」
そして再び抱きしめられると、綱吉には痛いくらいの骸の速い鼓動が伝わってきた。
そのおかげで、これは冗談ではなく、本気なのだと気づく。
「綱吉くん・・、好きなんです・・。君じゃないと僕は・・・。」
「むくろ・・・。」
綱吉は小さく深呼吸をすると骸の肩を押し、
つられそうになる速い鼓動から自分の身体を離す。
「・・・骸、ごめん俺・・・、お前のこと、仲間・・・としてしか、見たことなかった、から・・・。」
「はい・・・・・。」
頬を赤く染めながら綱吉はゆっくりと話し出す。
骸はそれに俯きながら、ただ頷く。
「だから・・、そのっ・・、付き合う・・とか、そーゆーのは、考えられない・・、から。」
あぁ、これで僕の恋は終わったと骸は
瞳から溢れそうになる水分を隠すように両目を閉じる。
「だ!だから・・・っ!と、・・・、友達から・・・!始め、てみな、・・い・・・・・?」
「・・・・!!」
その言葉に骸は驚いた顔で綱吉を見る。
「だ・・、だって・・俺、お前がどんなヤツとか、まだ全然知らないし、
もっとお前のことよく知れば、・・・す、好きになるかもしれないし・・・。」
こうやってどこかの少女マンガの一部のように話すのは
綱吉自身も恥ずかしいのか、しどろもどろになりながら、固まっている骸に必死に問いかける。
「だから、その・・・っど、どうかな・・・。」
「クフフフ・・・、全く君は・・・・・。」
「え・・・?うわあぁ!」
骸はいきなり口を開いたかと思えば、
先ほどと同じように綱吉も自分の腕の中に閉じ込める。
「な!ちょっむくろ・・・・!」
「・・・・そうですね、君がそう言うのなら仕方ありません。」
「うぇ?」
「・・・すぐに僕を選ばせてみせますよ。他の誰にも負けません。」
「え・・、他って・・・?」
「覚悟、してくださいね?」
「え?うわっ!」
骸はそういうと綱吉の頬にキスを1つ落とした。
六道 骸
彼の恋は大きな一歩を踏み出した。
「それでは綱吉くん、今度の日曜日僕とデー・・・、間違えました。『二人っきり』でどこかに行きませんか?」
「え・・・、うん・・・・?」
ただ、彼が『友達』の意味を正しく認識しているかどうかは謎である。
END