1粒で2度オイシイ 続き1 







2月14日 バレンタインデー当日 19:00 



(来ない・・・・。)




雲雀は暗くなった外をぼんやりと眺める。


そうだ よく考えてみれば、あの子はこういうことに敏感なコではなかった。

それに綱吉も男だ。
自分から男の自分にチョコを贈るなんて考えてもみないことなのかもしれない。
仕方がないと言えば仕方がないことかもしれないが、
期待していた分、雲雀はガックリと肩を落した。

小さくため息をつき、コーヒーでも飲もうかと席を立つ。

そして予想以上に落ち込んでいる自分に、雲雀はさらに自己嫌悪を起こした。




(来年は、もう少しアピールしてみようかな・・・。)


早くも来年のコトを考えながらマグカップにコーヒーを注ぐ。
角砂糖を1つ入れ、かき混ぜデスクまで運ぶ。

そして、この気分を打ち消そうと、書類を睨みつけた。


その時だった。



バァンン!と大きな音がして応接室の扉が開かれた。


驚いて顔を上げれば、扉の前に立っていたのは待ち焦がれた人物だった。



「つなよ・・・ッ」

「きれねぇ・・・・。」

「え・・・?」


「雲雀にチョコを渡さなきゃ、死んでも死に切れねぇ・・・。」





「・・・・え?」




綱吉はそう言って、ツカツカとデスクに座りっぱなしの雲雀に近づいてきた。


よく見れば、いつも愛らしい綱吉とは違い、戦いのときにみせる、気高く美しい綱吉だった。
いつだったか赤ん坊が言ってた気がする・・・。

何だっけ、ハ・・・・、ハイテンションな、綱吉だっけ・・・?

何か違う気がする・・・・。


とりあえずいつもの綱吉と違うことは額に灯された炎で理解できた。


ワオ、これは戦おうってことなのかな綱吉。受けて立つよ。



雲雀そんなことを考えている間に雲雀のデスク前に立った綱吉は
青い包装紙で綺麗にラッピングされた箱を雲雀に差し出した。




しばらく沈黙が続いた後、雲雀が口を開く。

「・・・・僕に?」

そう言って見つめていた箱から視線を綱吉に戻すとコクコクと頭を上下に振った。
その顔は戦う時のキリリとした表情とは違い、
眉も下がり瞳も潤み、若干頬が赤かった。照れているのだろうか。

「・・・ありがとう。」

「・・・・じゃあ。」

雲雀がチョコを受け取ると、綱吉は渡したから、と言わんばかりに
身体を180度回転させ、応接室から出ていこうとした。

「ちょっ・・・・!」

雲雀は慌てて追いかけるとドアノブを掴みかけた綱吉の背後に立ち、
ドアを片手で押さえる。

「待ちなよ、せっかく来たんだからゆっくりしてきなよ。」

「・・・・・いや、帰る。」

「・・・遠慮しなくていいよ。」

「遠慮なんかじゃ・・・・ッ!!!?」


綱吉が言い切る前に雲雀は、綱吉の腕を掴み、ソファに放り投げた。
ドサッとソファに倒れこんだ綱吉の上に逃げられないようにと、覆いかぶさる。


「・・・ッ!やめろ雲雀っ。」

「へぇ・・・、この時の君は少し口が悪いんだね。」

「どけ・・・・・っ!」

「ダメだよ・・・・。」


雲雀は抵抗する綱吉の腕をソファに縫い付ける。


「僕は綱吉が来てくれるの、ずっと待ってたのに・・・・。」

「雲雀・・・・・・。」

「すぐ いなくなるなんて、許さないよ。」

「ひば・・・・んぅっ!!?」


雲雀はそのまま綱吉の口唇を奪う。
閉ざされた唇を舐めてやり、すぐに舌を差し込む。
逃げる舌を掴まえ、じゅと音がするほど吸う。


「んんっ・・・・ふは・・っ・・・んっ・・ぅ・・・。」





「んっ・・・ぁ・・・ハァ・・・・!!」


口唇を離すと、綱吉の頬は赤く染まっており、
トロンとした甘い瞳で雲雀は見上げる。


快楽に落ちた色だ。







NEXT→