おやすみ
目が覚めて最初に見たものは
見慣れた壁と恋人の服を着た自分の腕。
「んぅ・・・・・・?」
ゆっくり瞼を開けると、見慣れた白い壁と
見慣れたワインレッドの服を着た自分の腕。
植木はしばらくして 自分が小林の家に泊まった、ということを思い出した。
昨日のことを思い出し頬を赤らめた。それを打ち消そうとして時刻を確認しようと時計をみれば、
日曜日と言えどそろそろ起きなければならない時間だった。
(・・・・・・起きないと)
そう思い、布団から出ようとしたが身体が動かなかった。
(・・・・?)
腰は多少痛いが動けないほどではない。植木は不思議に思い、
ふと自分の胸元をみると、銀色の髪が見えた。
(コバセン・・・・・・。)
植木が動けなかった原因は小林が植木を抱きしめて寝ているからだった。
どうりで動けないはずだと、植木は小さく溜め息をついた。
(コバセン・・・。寝てる、のか・・・?)
植木は顔を確認しようとしたが
すぅすぅと聞こえる規則的な呼吸で寝ているのだとわかった。
(どうしよ・・・・・起きれねぇ・・・・・・・。)
先程から小林と自分を離そうと努力している植木だったが、
離さないといわんばかりに強く回されている腕に逃げることができないのだ。
(どうしよう、なぁ・・・・・。)
植木はそう思いながら、小林の髪を遊ぶように軽くすき始めた。
「ン・・・・っ」
「!?」
小林がみじろき、小さな呻き声がすると、
起こしてしまったかと植木はすばやく手を引っ込めたが、そうではなかったようだ。
「ぁ・ゃ・・・だっ」
しかし ほっとしたのもつかの間、植木の胸に甘い疼きが生じた。
(やだ・・・!なん、で・・・っ。)
先程小林がみじろいたとき腕の力は和らいだのだが、さらに植木と密着し、
小林の吐息が植木の胸の粒にかかるのだ。
行為の後であり、元々敏感な植木はどうしようもなく感じてしまう。
「ちょ・・・ぁ・・や・・・っ!」
こんなことになるなら ちゃんとシャツのボタンを留めておくんだった、と
植木は後悔したが、もう遅かった。
「ぁ・・・・も、・・ふぁ・・やぁ・・・・っ」
植木はなんとかこの緩い刺激から逃れようと、もがくが、抜け出せない。
(ふぇ・・・どうしようっ・・・)
段々時間が経つにつれて、植木は熱が下半身に集まっていくのかわかった。
顔が赤く染まる。
「も、やだぁ・・・・っ!」
植木は目に涙をいっぱい溜めながら もう我慢できない、と一生懸命小林を呼んだ。
「こば・・・せっ・・コバセ・・っ 起きて・・・ッ」
「ン・・・・んん〜〜ッ」
何も知らない小林はまだ眠そうに唸ると、ゆっくり顔を上げた。
「どーした、植木・・日曜、だろ・・もう少し寝かせろ、・・て・・・・・・・?」
顔を上げた小林は目が点になっていた。
小林が見上げた先に見たものは、悩ましい植木の姿。
切なげな潤んだ瞳で自分を見つめてくる。
「どどど、どーーしたんだ、植木!!」
あまりの出来事に小林は眠気はどこかに吹き飛んだのか、あたふたと慌てている。
「も、コバセ・・・・ンのせいっ・・・なんだから・・な・・・っ」
小林が顔を上げたことでやっと解放された植木は はぁはぁと呼吸を乱しながら小林に文句を言う。
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